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ストーリー:第一幕(3)

更新日:2020年7月8日


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こんにちは。

今回もミュージカル「サニー・アフタヌーン」のストーリーを追って行きます。


・本当に舞台を見た人の正しい情報はテキサスペーパー

・音楽は30秒サンプルでループしちゃいます。全曲聴きたいときはこちら

・最初の話はこちら


インタビューシーンで4人の性格や趣味が描かれた後、レコーディング風景へと場面が変わります。

この時点でキンクスは2枚のシングルが失敗に終わり(余談だけど『You Still Want Me』めっちゃ好きだな…)、最後のリリースチャンスを目の前にしていました。ここで登場するのがYou Really Got Meです。


しかしマネージメントチームはキンクスの奏でる音が気に入らず、アレンジを変えさせようとします。暴力的すぎて、これではラジオでかけてもらえるはずがないと。

ついに「管楽器をオーバーダビングしてポップにしよう」という意見が出るとレイが大声を上げます。


「聞いてくれ!…これは俺の書いた最高の曲なんだ。

 言う通りに録音させてくれ、俺の頭の中に響いている音を聴かせてやるから」

「ほう、聴かせてもらおうじゃないか。どんな音が鳴っているっていうんだ?」


突然照明が暗転し、人気番組トップ・オブ・ザ・ポップスでナンバーワンシングルとして紹介されるシーンへ繋がります。


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トップ・オブ・ザ・ポップスで演奏するキンクス (二期キャスト)


そう!レイはマネージメント陣に打ち勝って、理想のレコーディングを実現したのでした。レイの頭に響いていた通りのYou Really Got Meが発売され、全英ナンバーワンに輝いたのです。


08. You Really Got Me


この部分の演出はYouTubeにこっそりアレされているアレで、アレすることができますのでどうぞ。



さて、トップチャートとスターダムを駆け上がったキンクスですが、沈んだ様子のレイと両親がステージへ現れます。


「こんなことは続けられない、スターになんかなりたくない」と胸の内を明かすレイに、父親は「お前が有名になったことより、そうして自分を曝け出せるようになったことを誇りに思うよ」と声をかけます。


そのうえで「自分を疑ってチャンスを潰してしまうのはやめるんだ、他にも代わりはいるんだから」と励まします。母親も「あきらめないで、そしてあなたが誰かを忘れないで」と言い残し、ふたりは去っていきます。


ステージに一人残されたレイはThis Time Tommorowを歌います。


レイはロックスターになる未来を静かに受け入れたということがこの曲によって示され、シェイフィールドスタジアムでのSet Me Freeの演奏へとそのまま繋がっていきます。


09. (This Time Tomorrow into) Set Me Free


曲が演奏されている間は、グルーピーたちがバンドに駆け寄る様子が描かれます。レイは興味を示そうとしませんでしたが、ある女の子が現れたとき、彼女はレイの心を掴むのです。


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これがのちに奥さんとなるラサとの出会いでした。

彼女に目を奪われたところで演奏は終わり、レイはそっと歩み寄っていきます。


会話をしたくて彼女を褒めそやすのですが、返事は「そうね(All right.)」 ばかりでつれません。警戒する様子のラサでしたが、彼女がリトアニアの難民で今はブラッドフォードに住んでいることなどを聞き出します。

予告編の1:00過ぎのところですね。確かにラサさんはツンツンしてる気が。


その会話の途中、3人の女の子を連れて楽しそうなデイヴがステージへ現れます。Set Me Freeで「I don't need no one else...」と歌うレイと、複数の相手との関係を楽しむデイヴの、恋愛に対する姿勢が対比されているようです。


10. Till the End of the Day

ホテルへ場面が移ると、デイヴの歌うTill the End of the Dayが始まります。

ドレス姿のデイヴが、シャンデリアに乗り、ホテルのデスクを斧で叩き割ります。


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(すばらしいミュージカルだ…そう思わんかね…)


ピートがモッズスクーター、Wace とCollinsはクリケット、そして総じてグルーピーたちとの遊びに耽っているところが描かれる一方で、レイはステージの端でラサと2人で静かに会話しています。


パーティが続く中、ラサは「明日は学校があるの。もう帰らなきゃ」と告げます。レイも、こんな騒がしいところを抜け出して一緒に家へ帰りたい、と伝えると「そんなロックスターいるかしら?」とラサに言われてしまうのでした。


その後2人の会話を通して、レイの個人的な過去が語られます。


レネ姉さんが亡くなったあとロージー姉さんと暮らすことを選んだレイは、デイヴを残して実家を出たこと。だからデイヴは、離れて暮らしていた自分たちをほんとうの兄弟だとは思っていないだろうということ。


そして、レネという姉がいて、レイにギターを贈ってくれたその夜に亡くなったこと。(詳しくは前回も紹介したこちらのブログをどうぞ)


誕生日プレゼントのギターを贈ってくれたその日、レネ姉さんはピアノを演奏してやさしく子守唄を口ずさみました。幼いレイは手に入れたばかりのギターで伴奏しようともがきます。それはおそらく彼女自身が作った曲で、奇妙なのにどこか人を引きつけるものがあり彼を魅了しました。

「今となっては、どんな曲だったのか思い出せない。だからいつも作曲に取り掛かるときは、あの日の曲に辿り着いたらいいのに、と考えてしまうんだ」


そして不思議な調べのThis Strange Effectが、新しく生まれたカップルによって歌われるのでした。


11. This Strange Effect


第一幕は次で終盤です。

つづく!


 
 
 

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